パソコンやインターネットの登場で便利な時代になる一方、盗聴などの手口は巧妙化しています。ウイルスを仕込んだだけで情報傍受は可能ですし、小型化が進みカモフラージュに富んだ盗聴器を素人が設置することも難しくなくなっています。いつの間に会話を盗聴されていてトラブルに巻き込まれるということにならないよう、どんな盗聴手段があるのか知って対策をとりましょう。
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この記事はマーケティング会社や外部ライターにリサーチとレポートを依頼して作られた記事です。
当社の見解とは異なる部分が多々ありますが、当社の視点だけに偏らず様々な角度から情報セキュリティに関する動向・傾向を見ることができるよう、なるべく原文のまま掲載いたしております。
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誰が盗聴されてもおかしくない現代社会
「盗聴には特別な装置や知識が必要で、とても素人に手が出せる代物ではない」と思われる方も少なくありません。しかし、実際には盗聴に必要な道具を購入するのに資格や証明書、面倒な手続きなどは不要です。その気になれば誰でも簡単に手が出せます。誰でも加害者になれるということは、反対に言えば誰が被害者になってもおかしくないということです。それに拍車をかけているのが、パソコンやスマホといった現代社会に欠かせないデジタル機器です。
パソコンやスマホへ知らない間に盗聴ソフトをインストールしたり、無線LANにウイルスが侵入したりすることで、記録や個人情報などが簡単に盗まれてしまいます。パソコンやネットは暮らしの利便性を高める一方で、このような大きなリスクも生んでいるのです。
個人に対する盗聴が行われるケースとは?
個人が盗聴のターゲットになる代表的なケースは以下の通りです。
- ・浮気を疑う彼氏や彼女、妻や夫が事細かに調べるために盗聴する
- ・第三者がストーカーとなって盗聴する
- ・パートナーが1日の行動や会話内容を監視するために盗聴する
- ・盗聴マニアやハッカーによる悪戯、出来心で盗聴する
「盗聴をするのは犯罪者」というイメージが強いですが「彼氏・彼女がスマホに盗聴アプリをインストールし、パートナーを監視」という事例も実は少なくありません。盗聴をするのは外部の第三者だけでなく、身近な人の可能性もあるのです。
また、盗聴の方法も小型機器の設置からウイルスソフトを使った情報窃盗までさまざまです。盗聴はすでに「プロの仕事」ではなく「身近の誰もができる行動」であることを覚えておきましょう。
盗聴は違法ではない?
実は、刑法に「盗聴罪」といった規定はありません。つまり、機器の設置や電波の傍受だけでは罪に問うことはできないのです。
事件となるのはあくまでも盗聴した者が不正に得た情報を悪用した場合、もしくは情報取得のために犯罪を起こすようなケースです。例えば以下のような場合が挙げられます。
- ・無断で屋内に侵入して盗聴器を取り付けた(住居侵入罪)
- ・知り得た情報を使って脅す・ゆする・たかる(恐喝罪)
- ・電話番号を入手して何度も電話をかけるなどつきまとう(ストーカー規制法違反)
- ・クレジットカード情報を入手して不正に利用する(詐欺罪、または電磁的記録不正作出罪)
これらの行動を犯人がした場合には立件や摘発、逮捕がしやすくなります。盗聴をした加害者に厳正な処罰を求める場合は、他の罪をきっかけに逮捕となって裁判などの手続きに入る、というのが現行法の実情です。
ただし、場合によっては警察も柔軟に対応してくれるので、盗聴が発覚したときはすみやかに相談しましょう。
パソコンを使った盗聴にはどんな方法がある?
パソコンから盗聴する方法は大きく分けてふたつあります。「インターネットを介した盗聴」と「盗聴器の設置」です。
何気なくネットを使っていていつのまにかウイルスに感染し情報が傍受された、というケースは珍しくありません。また、昨今の盗聴器は小型化・ハイテク化が進んでおり、盗聴を許してしまいやすいのが特徴です。
インターネットを介した盗聴
インターネット経由での盗聴を可能にする要因は多岐に渡ります。パソコンへのハッキングやウイルス感染はその代表例です。以下から、インターネットを介した盗聴の手法と、その回避法を解説します。
遠隔操作ウイルス
パソコンにウイルスを侵入させて盗聴するのが「遠隔操作ウイルス」です。このウイルスにパソコンが感染すると、侵入者の思うままにパソコンを操作されてしまいます。例えばパソコンのマイクを「ON」にされ、話した内容をそのまま傍受されることもあるのです。このような盗聴行為の他にも、メールアドレスや電話番号、クレジットカードなどの個人情報も簡単に盗まれてしまいます。
遠隔操作ウイルスに感染するケースには次のようなものがあります。
- ・特定のサイトにアクセスして感染
- ・メール添付を開いて感染
- ・メールに記載されたURLをクリックして感染
- ・感染した端末からウイルスが拡散
- ・USBメモリや外付けハードディスク、CD-ROMなどから感染
悪質なウイルスに感染しないためにも、セキュリティ対策を万全に整えることが重要です。
フリーWi-Fiからのハッキング
カフェやレンタルオフィス、コワーキングスペース、ホテルなどで気軽に使えるフリーWi-Fi。この便利な通信システムもまた、盗聴に悪用される危険性があります。
一部の施設では、多くの利用者が気軽にアクセスできるようにとの配慮から、パスワードが設定されていないフリーWi-Fiが提供されています。狙われるのは、こうした「暗号化されていないフリーWi-Fi」です。暗号化の有無は、SSIDの横に鍵マークが付いているかどうかで判別できます。鍵が付いていない(=暗号化されていない)ネットワークにパソコンを接続すると、盗聴をはじめとしたリスクが高まるので注意が必要です。
ただし、暗号化キー(パスワード)の付いたフリーWi-Fiが必ずしも安全とは言い切れません。キーの番号情報は利用者のために公開されています。この情報がわかると、多少の知識とツールがあれば、悪意のある第三者が通信内容を解読・傍受できてしまうのです。
セキュリティ対策なしのパソコンはとくに危険
セキュリティ対策が施されていないパソコンをフリーWi-Fiに接続するのは非常に危険であり、いわば空き巣の多い地域でカギを開けっぱなしにして外出をするようなものです。悪意のある第三者からすれば、簡単にパソコンに侵入できるので盗聴器を仕掛けられてしまう、といった事態も十分に考えられます。
また、第三者の侵入に実感がないのも危険な点です。クレジットカードの不正利用や個人情報の漏洩といった何かしらの被害があれば疑心も生じるでしょう。しかし、実害がないと傍受されている事実にすら気づかないかもしれません。
パソコンによる盗聴を防ぐためのポイント
ウイルスやハッキングを使った盗聴に対抗する最も有効な手段は、セキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)の導入です。パソコンを購入した際には必ず購入&インストールをしましょう。また、有効期限が切れた後はパソコンがガードされないので、期間延長の手続きも忘れないでください。
他にも「怪しいサイトへのアクセスは避ける」「アプリやソフトをインストールする場合はなるべく安全性を確認する」「無線LANの暗号化設定」といった初歩的な対策への心がけも欠かさないようにしましょう。
また、外出先でインターネットに接続したいのであれば、フリーWi-Fiは可能な限り避けるのが無難です。極力、スマホのテザリングやモバイルWi-Fiルーターを利用してください。どうしても接続が必要なのであれば、セキュリティソフトがきちんと動作しているかを確認しながら、手短に作業を終えるようにしましょう。
パスワード設定は身近な人も知らない“何か”がおすすめ
パソコンやインターネットに関わるパスワードの設定では「生年月日や電話番号、氏名など推測されやすい文字列は避ける」が基本です。なおかつ定期的に変更することが得策です。
とくに身内や彼氏・彼女など身近な人からすれば、簡易的なパスワードの突破はさほど難しくありません。パスワードを記したメモも見つからないよう安全な場所にしっかり保管しておきましょう。
盗聴器の設置
シンプルながらも気をつけなくてはならないのが「盗聴器」を用いた盗聴です。昨今の盗聴器は小型化・ハイテク化が進み、その手口も極めて巧妙です。形状もさまざまで、ワイヤレス録音ができるタイプも珍しくありません。
電源タップやUSBメモリ、ペンシルなどカモフラージュ型盗聴器に注意
盗聴器は電源が確保される場所であればどこでも設置できます。パソコン内への仕掛けはもちろん、USB端子やマウス、付近のコンセントなど、トラップとなるエリアは至るところにあるのです。しかも昨今の盗聴器は超小型で見た目はただの電子基板ということもあります。よほど詳しい人でもない限り、盗聴器だと気づくのは難しいでしょう。
例えば電源タップやパソコン、スマホの充電器の形をした盗聴器もあります。ただの電源タップと思って使っていたら、部屋で話していた内容が外に筒抜けだった、ということもあり得るのです。その他、以下のようなアイテムの中身が盗聴器である可能性もあります。
- ・USBメモリ
- ・イヤホン
- ・コンセントカバー
- ・モジュラーコネクタ
- ・ボールペン
- ・電卓 など
単に小型だというだけでなく、盗聴器と思わせないような形状をしているのが厄介な点だと言えるでしょう。見た目では判断ができないので警戒しにくいです。
盗聴器の種類
盗聴器の種類には、「録音タイプ」と「電波タイプ」のふたつがあります。
前者はボイスレコーダーが仕掛けられたタイプで、回収の必要があることから家族や恋人など、部屋に自由に出入りできる人による設置が考えられます。後者は電波を飛ばすタイプで、まったく縁もゆかりもない第三者による犯行の可能性が高いケースです。
このように、盗聴器の種類で、犯人がどんなタイプかの予測できることも少なくありません。
盗聴発覚時は警察に相談
「インターネット経由で盗聴をされたことが分かった」「盗聴器が設置されているのを見つけた」このような場合は、警察に相談することをおすすめします。サイバー犯罪は巧妙化しており、組織的な集団による犯行の可能性もあります。第二、第三の被害を生まないためにも、警察の専門部署に事情を説明して捜査をお願いしましょう。相談が早ければ早いほど、被害の未然防止や拡大阻止につながりやすくなります。
まとめ
個人だからといって盗聴されないとは限りません。パソコンがウイルスに感染しただけで会話内容が盗み聞きされる可能性もあるため、セキュリティ対策が非常に重要です。簡易的なソフトをインストールするだけでも未然に防止するのに役立ちます。加えて盗聴器の設置にも気を付けたいところです。いつも使っている機器に違和感を覚えたら、念のため専門家に相談しましょう。