未成年を標的にしたオンラインゲーム犯罪が増加。オンラインゲームを安全に楽しむための8つのポイント

セキュリティ

【この記事はIT系ライター M氏 が書きました】

オンラインゲームの人気にともない、それに便乗するサイバー犯罪が急増しています。身を守る必要のある脅威を正しく理解してオンラインゲームを安全にプレイできるように確認すべきポイントを紹介します。

【目次】

■ 未成年を標的としたオンラインゲーム犯罪が増加
■ 人気ゲームの入手をエサに個人情報を奪う
■ 人気ゲームに似せた、偽アプリに注意
■ 見知らぬ人とのコミュニケーションは慎重に
■ 安全にオンラインゲームを楽しむための8つのポイント

■ 未成年を標的としたオンラインゲーム犯罪が増加

コロナ禍による外出自粛が続きネット環境の発達により、近年オンラインゲームの人気が著しく上昇しています。
それに伴い、オンラインゲームユーザーを標的にしたサイバー犯罪が増えていることがあきらかとなりました。

オンラインゲームは(略称:オンゲー、ネットワークゲーム、ネットゲーム、ネトゲ)、パソコンやスマホ、ゲーム機器などからインターネットを利用して複数のプレイヤーが同時に楽しむことができるゲームの総称です

総務省の平成30年版情報通信白書の調査によると、インターネット利用者(対象13歳以上)の約3割がオンラインゲームを利用しており、20歳から29歳では45.5%が、13歳から19歳にあっては50.7%が利用しています。「eスポーツ(Electronnic Sports)」の日本での認知も広がっており、さらにオンラインゲームの利用者が増えることが考えられます。未成年のお子様がいる家庭は特に注意しておきましょう。

■ 人気ゲームの入手をエサに個人情報を奪う

オンラインゲームにおけるサイバー犯罪はフィッシング詐欺が中心です。以下の画像は、正規サービスのログインページを装った(フィッシングサイト)にゲームユーザーを誘導し、そこで入力されたアカウント情報(IDやパスワードなど)、個人情報、クレジットカード情報など盗み出す手口です。ゲーム内でのチャットや動画共有サイトを悪用し、認証情報・決済情報などを抜き取ってしまいます。最終的にはアカウントの乗っ取り、クレジットカードの不正利用などが行われ、甚大な被害へとつながる危険性が潜んでいます。

たとえば、ゲーム運営会社をかたって「ゲーム内で使用可能なポイントを無料でプレゼント」「アカウントに重大な問題が起きてしまったのでパスワードの変更が必要」などと呼びかけてゲームユーザーにURLリンクを開かせ、偽サイトへ誘い込みます。

被害者になるだけでなく、意図せず加害者となってしまったという事例も報告されています。
ゲーム内のフレンドに不正なメッセージをばらまかれて、被害がゲーム仲間にまで広がってしまうかもしれません。
知らないうちに犯罪に加担してしまう恐ろしい事態を招かないよう、オンラインゲームを利用する際は十分に注意しておかなければなりません。

正規サービスの無償ダウンロードと称し偽ファイルをダウンロードさせる
インストールが終了するとアンケートに誘導、偽の口コミで信用を得ようとしている
誘導先のアンケートでは住所や生年月日などの質問に答えさせる

■ 人気ゲームに似せた、偽アプリに注意

リンク先がマルウェアの配布サイトの場合もあります。メールやゲーム内チャットやSNSを使って「ゲームを有利に進めるためのチートコードが手に入る」、「拡張ソフトインストールでゲームキャラを強化できる」などと伝え不正なURLリンクを案内し、ゲームユーザーをマルウェアの配布サイトに誘導します。

スマホのゲームユーザーも、人気ゲームに見せかけた「偽アプリ」を配布する不正サイトに注意が必要です。偽ゲームは、正規アプリと同じタイトル、アイコン、説明文などを使って本物を装う不正なアプリです。

実際、Android端末ユーザーを対象にした偽アプリが報告されています。配布サイトはGoogle Playを真似たデザインで、モバイル向けのデータ版を無料で入手できるとうたった内容でした。しかし、そこでダウンロードした偽アプリは、端末内のファイルを暗号化して開けなくし、「24時間以内にnBitcoinで○○○ドルを支払わないとデータを消去する」という脅迫するランサムウェアでした。

■ 見知らぬ人とのコミュニケーションは慎重に

プレイヤー同士、ボイスチャットなどで会話しながらプレイできるのはオンラインゲームならではの魅力です。しかし、実際に会ったことのない相手とのコミュニケーションがトラブルの引き金になることもあります。プレイヤーの中には、メールやSNS、チャット経由で魅力的な条件を提示するトレード話を持ちかけ、レアアイテムや金銭をだまし取る詐欺師も潜んでいます。

トレードなどを持ち掛けられた場合は、ゲーム運営会社が提供している公式のトレードサービスなどを利用するようにし、相手が送付してきた添付ファイルやURLを不用意にクリックしないようにしましょう。添付ファイルからウイルスに感染してしまったり、フィッシングサイトに誘導されてしまったりする危険性もあります。

ゲーム内には親しげに話しかけてきて本名やSNSのアカウントを尋ねたり、顔写真の送信を求めたりするプレイヤーもいます。しかし、こうした相手とプライベートな情報をやり取りするのは危険です。それに応じた場合、個人情報を掲示板や出会い系サイトなどにさらされたり、不正なメッセージを大量に送りつけられたりするかもしれません。

■ 安全にオンラインゲームを楽しむための8つのポイント

・詐欺の手口やトラブル事例についてよく理解する

オンラインゲームでのサイバー犯罪被害を防ぐには、まず詐欺の手口やトラブル事例についてよく理解しておくことが大切です。セキュリティ会社、各ゲーム運営会社などが公表する相談事例、注意喚起情報を定期的にチェックし、オンラインゲームの利用者を狙う詐欺の手口やトラブルを知っておきましょう。

・メールやSNS、チャット内のURLリンクを不用意にクリックしない

メールやSNS、チャット、ゲームのレビューサイトなどに耳寄りな情報とURLリンクをのせ、ゲームユーザーをフィッシングサイトに誘導することもあります。ゲームアカウントへのログインは、必ずブックマークに登録して公式サイト、アプリから行いましょう。スマホにアプリを入れる際は、必ずSteamなどのゲームプラットフォーム、App StoreやGoogle Playなどの公式アプリストアを利用しましょう。ただし、インストール前にアプリの提供元や利用者の評価などもよく確認しましょう。

・アカウントを厳重に管理する

アカウントの乗っ取りを防ぐため、第三者に推測されにくいパスワードを設定しましょう。パスワードを作成する際は、使用可能な大小英数字、記号などの文字をランダムに組み合わせ、文字列はできるだけ長くすることと、異なっるIDとパスワードで設定しましょう。さらに安全を確保するため、ゲーム事業者から提供される二要素認証(二段階認証、多要素認証)も必ず利用しましょう。

・OSやファームウェアを新しく更新する

パソコンやスマホ、ゲーム機などは、OSやファームウェアの脆弱性を修正するアップデートが不可欠です。
各メーカーから更新プログラムが提供されたら速やかに適用しましょう。ゲーム機の更新方法については、取り扱い説明書を確認しましょう。

・セキュリティソフトを利用する

ゲームを楽しむためにパソコンやスマホにセキュリティソフトを入れて、最新の状態で利用しましょう。不正サイトへのアクセスやマルウェアへの感染リスクを下げることができます。パソコンの動作への影響が心配な場合は、プレイ中に更新ファイルの適用や自動スキャンを実行しない「サイレントモード」や「ゲームモード」を搭載するセキュリティソフトを選ぶと良いでしょう。

・家庭内ネットワークの安全性を確保する

家庭内のWi-Fiが乗っ取られる可能性もありますので、Wi-Fiにもセキュリティ対策しておくとより安心です。ネットワーク内の不審な通信を監視したりしてくれる機能を備えたホームルーター、もしくは家庭内ネットワーク向けセキュリティ製品が市販されています。家庭での利用状況に応じて選定しましょう。

・RMTやチート行為に手を出さない

他のプレーヤーとのトレードは、ゲーム事業者提供の公式のトレードサービスを利用しましょう。また、チート行為は損害賠償や刑事罰の対象となる可能性があります。

※ RMT(Real Money Trading(リアルマネートレーディング))
ゲームのデータやキャラクター、アイテムなどを現実の通貨や物品を対価に取引する行為。
※ cheat(チート)
パソコンゲームにおいて、データの改ざんや不正な操作によって、想定していない結果を得ること。

・家庭内でもルールを決めておく

オンラインゲームを使ったサイバー犯罪からお子様を守るためには、「家庭内のネットワーク環境を整えること」、「子どもとの間でルールを決めておくこと」が重要です。セキュリティソフトによっては、ゲームの利用時間を制限したり、有害サイトへのアクセスを防いだりすることができます。お子さんと一緒に端末の利用ルールを決めること、年齢や成長に見合った制限をかけることを心がけましょう。

また、オンラインゲームやネット利用についてお子様と家庭内ルールを設けておくことも大切です。「アダルトサイトを見ない」、「会員登録を勝手に行わない」、「知らない人とDMのやり取りをしない」、「時間を守って利用する」など家族でしっかりと話し合って決めましょう。ルールを破った場合は、ペナルティを用意しておくのも有効です。ルールを作る際は親が一方的に押し付けるのではなく、必ずお子様と一緒に決めるようにしてください。

オンラインゲームをめぐるトラブルに遭遇した場合は、警察や国民生活センターの相談窓口に連絡し、適切な対処方法を確認しましょう。

           関連リンク

都道府県警察サイバー犯罪相談窓口
https://www.npa.go.jp/cybersafety/

国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/map/index.html

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