【この記事はIT系ライター M氏 が書きました】
サイバー対策製品などを手がける「ソリトンシステムズ」は注意喚起のため、2020年に発覚した232件の情報流出事件を分析し、漏えいが発覚したパスワードの中から日本人が使いがちなものをランキングで発表しています。
ランキングで、最も多かったのは「123456」。これは数字を1から順に並べただけで誰でも予想がつくため、世界中で「最悪のパスワード」として知られており、日本人ならではの結果ではありませんでした。そして2番目に多いパスワードはそのまま「password」。設定は8桁が多いことが影響していると考えられます。そして漏えいしやすいパスワードの3位は「asdfghjk」で、キーボード「a」からの横並び順をそのままパスワードに設定している人も多いという事がわかりました。
ネット上の個人情報を守るためのパスワード。今も単純な設定にしているユーザーが多いようですが、それは大変危険です。ランキングを参考にして、自身の設定しているパスワードで、同じようなパターンがないかこの機会に見直してみましょう。
「パスワード」の応用ランキングでは、全体ランキング2位の「password」、世界ランキングでも「password」は3位で世界的によく利用されている漏えいパスワードとうことがわかります。他に日本ランキングでは、39位に「uchipass」が入っています。その他に、パスを繰り返して8文字にした「passpass」、ローマ字でパスワード「pasuwado」、psssと4桁の数字を組み合わせた「pass + 〇〇〇〇」などが上位ランキングで確認できます。
その他のランキング「アルファベットの応用」では、キーボード配列は関係なく、アルファベット「abcd」のあとに4桁の文字を入れた8桁でパスワードを作成する人が多いことがわかり、「文字の繰り返し」では、世界共通で人気が高く7位に「111111」、10位「123123」、13位「aaaaaa」などが上位ランキングで見受けられました。
「8桁の号年yyyymmdd」を使ったパスワードランキングでは、9位「19980621」と14位「20121204」が上位に入っていますが、この数字をネットで検索して調べてみましたが、特定の年号として確認できず、漏えいしたパスワードでこの生まれの人が多かった？などぐらいしか推測できませんでした。
「人名」ランキングでは、12位「sakura」36位「takahiro」44位「masahiro」など、日本人に人気の名前がランキングしています。「好きなものなど」ランキングでは、トヨタ自動車の最新スポーツカー「スープラ」が11位には「jza90supra」がランクインし、50位以降のランキングでは、「doraemon」や「kuroneko」「soccer」「marlboro」などが多いという結果が確認できました。
■ 安全なパスワードの設定
パスワードを8桁以上にして、定期的に見直しをおこなうといった今までのパスワードルールの常識は、「もう通用しないもの」と考えた方が賢明です。セキュリティ系の会社や団体などが推奨するパスワードルールもここ数年で大幅に改訂されています。
現在、推奨されているパスワードルールは「できるだけ長く」「複雑」「使い回さない」の3つを守ったものが安全なパスワードのポイントになります。複雑の部分に関しては、大文字、小文字、英数字、記号などを混合した組み合わせでパスワードを作るということになります。
日本の代表的なセキュリティ機関が推奨するパスワード
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)
＜英大小文字+数字+記号で10桁以上＞
JPCERT/CC
＜12文字以上でさまざまな文字種(大小英字、数字、記号)を組み合わせる＞
■ パスワードの見直し
日本人が使いがちな漏えいしやすいパスワードが今回のランキングで浮き彫りになりました。脆弱なパスワードが相変わらず使い続けられているという現実が改めて突きつけられました。ランキングに入っているようなパスワードは数秒で破られ、大事な個人情報が悪意ある者に盗まれてしまいます。単純なパスワードを設定している人には、その危険性を認識するとともに、少しでも複雑なパスワードに変更、見直を行いましょう。
関連リンク
【White Paper】日本人のパスワードランキング2020(ソリトンシステムズ)
https://www.soliton-cyber.com/blog/a-hrefhttpscardioid-ruby-a6wdsquarespacecomblogwhite-paperpc-12841white-papera2020
